Research
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イッテルビウム原子の量子気体顕微鏡 ― 光の波長間隔で配置した原子1つ1つを直接“見る”
  私たちは、イッテルビウム(Yb)原子の光格子を用いた量子多体系の量子シミュレーションの研究を行っています。 しかしながら、通常の方法は、多数の格子点の平均の密度しか測定することができず、 状態方程式や温度といった多くの重要な系の性質に関する正確な情報を得ることは難しいという側面があります。 本研究では、光格子中のYb原子の量子気体を単一格子点の分解能で観測するという、 いわゆる量子気体顕微鏡の開発を行っています。 これにより、例えば、ボース・ハバードモデルに対しては、得られる画像によって、 ボース・アインシュタイン凝縮(BEC)のような状態である超流動状態から、 モット絶縁体(MI)相への転移に関してこれまで間接的に推測されていたことを目に見えるように確認することができます。 この手法では、運動量空間での測定と相補的な実空間の描像を提供してくれるわけで、 凝縮系における走査型プローブ顕微鏡に対応している、とも言えます。
  Yb原子には、ボース粒子だけでなく、フェルミ粒子も同位体として存在していますので、 フェルミ・ハバードモデルやさらにボース・フェルミ混合系のハバードモデルもこの量子気体顕微鏡で研究を行うことが可能です。 こうした画期的な技術開発により、強相関量子多体系を、一原子・一格子点レベルで制御・観測するという、 これまで考えられなかった全く新しいタイプの研究が可能になってきています。
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